2012年11月25日日曜日

尾鷲歳時記(96)

勤労感謝の日
内山思考

水抱いてくしゃみも出来ぬ地球かな  思考

内山夫妻、天安門広場で











11月22日 は「いい夫婦」の日だそうだ。 日本語が語呂合わせしやすいのか、それとも国民性なのか、こういう記念日がよくある。多少、商業的に利用される場合もあるが、そんなアクセントが一年のどこかにあってもいいだろう。案の定というか、夕食の熱いクリームシチューを「ヒイヒイ(いい)フウフウ(夫婦))」吹き冷ましながら食べていたら、義従姉のカヨちゃんから電話がかかって来た。

今日、「古道の湯」へ夫婦のツーショット写真を持って行くと、入浴券を二枚サービスしてくれると言うのだ。そこは海洋深層水を使った温浴施設である。「行かないよ」と僕。 実は風邪気味なのである。二、三日前から炭焼の親方が声を嗄らし水洟を垂らし、昨夜は我が家の娘が寒気がすると言い出しそれを貰ったとは言わないが、あまりいい環境ではなかったところへ、朝から首筋に違和感が。これは僕にとっての赤信号なのだ。

「ええよ、カヨちゃんもヤッちゃん(旦那)風邪引きやって」
あらら…、と言うわけで僕は米倉涼子主演のテレビドラマ「ドクターX」を見ながら寝てしまったのだった。明けて23日。7時のチャイムが遠い濁世で鳴っている。
「どう、行ける?」と妻、
「エッ、どこへ?」
「どこへって、映画へ行くって約束してたのに」
「無理!」
体中の倦怠感を訴えて断ると、そんなら一人で行って来ますと凄い馬力の彼女は、布団の中にいる僕の額に手を当て「まあ、寝てるこっちゃね」と言って出掛けた。


ノブちゃんから届いた画像
こういう場合は、日頃から病弱な妻の方が強い。先月来、大阪と奈良へ二度ずつ、あと神戸、名古屋など車の日帰りを続けたので、ぼちぼち体調に歪みが出て来る気がしてはいたのである。予感が悪寒になったわけだ。まあしかし、まだ食欲が標準並みなので1日休めば復活するだろう。昨日、長野にいる従姉のノブちゃんから林檎の樹の写メールが届いた。それを見ていると、何だか元気が湧いてくるような勤労感謝の日である。