2012年12月23日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(103)

山手線・日暮里(その2)谷中霊園
文:山尾かづひろ 

地蔵堂









江戸璃(えどり):駅の南口を左に出るとすぐに谷中霊園になるわよ。
都区次(とくじ):都立の霊園にしては寺院・地蔵堂があったりして変わってますね。

 手袋の赤が添えられ地蔵堂 畑中あや子

江戸璃:元は天王寺の境内だったのだけれど、明治維新に土地の殆どを新政府に献上して現在の谷中霊園になったのね。そのために元の形状が少し残っているのよ。霊園に入ってすぐに南北に走る広い道が「五重塔さくら通り」で、少し行くと、昭和32年に不倫恋の清算心中の放火で焼失した五重塔の跡地があるわよ。跡地の近くの霊園事務所で「谷中霊園案内図」をもらい著名人の墓めぐりをしてみましょう。徳川慶喜、佐々木信綱、上田敏、さらには長谷川一夫など、それだけで2、3時間はかかっちゃうわよ。

炎上する五重塔













冬ざれや根岸の路地を猫過(よ)ぎる 長屋璃子(ながやるりこ)
塔跡の謂れ読み入る綿虫と 山尾かづひろ