2013年10月13日日曜日

尾鷲歳時記(142)



那覇の夜
内山思考

色のなき風も色ずく風車祝(カジマヤー)  思考

一面のクワンソウは沖縄伝統の島野菜
(今帰仁村で)

沖縄に来ている。今年になってから四度目だ。那覇市内にアパートを借りているので、飛行機の都合さえつけば滞在期間は自由である。今回の予定は一応7日間で、もちろん妻も一緒。10日の朝、7時に尾鷲を車で出て新名神を通って神戸空港へ到着したのが11時半(途中少し渋滞あり)、つまり三百キロ程を四時間半もかかったのに、神戸-沖縄間はたったの一時間半なのがいつも不思議で仕方がない。時速800キロ(だったかな?)でほぼ最短距離をすっ飛んで行くのだから当たり前なのだが。

僕は、大好きな離陸時の加速の快感を味わったあと、下界を眺めていたがその内に切れ目の無い雲の絨毯に飽きてしまった。でカバンからいつも持ち歩いている「鈴木六林男句集」のポケット本を取り出して読んでいたらいつの間にやら熟睡してしまったらしい。気がつけば、機体は軽く身震いするように那覇空港へ高度を下げはじめていた。

その夜は知人のS子さんとタカシさん、それに僕たち夫婦の4人が国際通りにあるバイキングレストランで夕食を共にした。それもいつものこと。僕は安くて美味しい沖縄の牛肉と豚肉を、焼いては食い食っては焼き、後の三人は明日からの予定を語りながらそれぞれのペースでゆっくり食べている。ここは沖縄でしか飲めない炭酸飲料「ルートビア」も飲み放題だから、何度となくおかわりをする。


タカシさんが特産品なきじんスイカを
買い込んだ

話しの様子ではだいたいのスケジュールは決まったみたいだ。僕はそれに従って運転手を勤めるだけ。それにしても豚肉が柔らかくて旨いこと。そして食事の最後はお約束のアイスクリーム「ブルーシール」である。味が濃い上にあまり冷たくないので、たくさん食べられるのが嬉しいのだ。それと沖縄ぜんざいが絶妙にマッチする。生ビールを呑んで上機嫌で話すタカシさんに相槌を打ちながら、僕たちの長い夜はなお続くのであった。明日は山原(やんばる)へ行くそうだ。今帰仁のよしこ食堂でふーチャンプルを食べよう。