2013年10月13日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(145)

手線・日暮里(その45)
根岸(上根岸82番地の家(29)「子規庵」)
文:山尾かづひろ 

御所柿

都区次(とくじ): 子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句では柿がモチーフとして利いているのですが、この柿は「御所柿(ごしょかき)」と呼ぶそうですが、わたしは現地へ行って食べてみたくなりました。

御所柿の少なくなりし奈良路かな 吉田ゆり

江戸璃(えどり):御所柿は奈良県のJR和歌山線の御所市(ごぜし)原産の甘柿で江戸時代には盛んに栽培され、極上の柿として幕府や宮中に献上されていたそうですが、現在までに他の柿に切り換えられて、ほとんど出回っていないそうよ。
都区次:どうしてですか?
江戸璃:栽培の難しさからきているそうよ。熟したときにヘタ隙や先割れが起こりやすく、富有柿(ふゆうがき)に切り換えられたそうよ。
都区次:ところで今日は日暮里からどこへ行きますか?
江戸璃:秋葉原駅で総武線に乗り換えて千駄ヶ谷駅から新宿御苑へ行って、帰りに新宿の大ガード近くで焼き鳥を食べてみない?

新宿御苑










木の実降る園遊会のありし園  長屋璃子(ながやるりこ)
秋夕焼高層ビルのシルエット  山尾かづひろ