2014年1月26日日曜日

尾鷲歳時記(157)


花と書と
内山思考


寒緋桜燃えて八重岳風強し  思考

八重岳の寒緋桜








沖縄北部本部(もとぶ)半島にある八重岳(453㍍)で、18日から桜まつりが始まると聞き、恵子、ヒロコさんと三人で出掛けた。途中、名護のA&Wでヒロコさんの友人ケイコさんと待ち合わせ、地理に詳しい彼女の車に先導して貰って本部町に入った。八重岳は二度目、八年前最初に訪琉した時は4月だったので、いつか桜の季節に来られるといいね、でも1月に花見なんて不思議やねと恵子と話し合ったのを思い出す。

ケイコさんは脇道から山上を目指しているようだ。それでも、方々に桜の緋色が見え始めた。まるで桃の花のようだ。その彩りが沖縄の山野の緑に見事に映えている。「あ、咲いてる」「こっちにも」 と内山夫婦は大喜び、中に白い花もあってそんな種類があるのかと後でケイコさんに聞くと何と梅の花だった。

やがて桜並木に出た。山の裾から山頂まで約七千本といわれる名所である。ここはヤマトのように座を設けて花を楽しむのではなく、言わばドライブスルー感覚なのだ。窓を開けると風が冷たい、遠く海が見える。日本一早い桜を眺めたっぷりと眼福を肥やした後は山を下って、北山(今帰仁)城址へ向かった。でもこちらの桜はまだつぼみ、寒緋桜が寒い方から開花するという話は本当だったのだ。

田場珠翠さんと
残念だなと帰りかけたら城内の文化センターの前に「田場珠翠筆文字あーと展」のポスターが。彼女は、沖縄で今売り出しの書道家で、刷毛やブラシなどを使った筆を選ばぬ自由闊達な書体が話題を呼んでいる。丁度よかった。一度、生の作品を鑑賞したいと思っていたのだ。「田場さんに会えないかな?」と何気なく呟いたら、丁度後ろを通りかかったおじさんが「タバシュスイいますよ、どうぞ」と笑いかけてくれたので、一緒に会場へ入る。出会った本物?の珠翠さんはテレビの画面(泡盛のCMなどに出演中)で見る以上に魅力的な女性であった。そして話している内に、先ほどのおじさんが彼女のお父さんだったことを知った。