2014年2月9日日曜日

尾鷲歳時記(159)

早春の本部半島
内山思考 

 葉桜や今帰仁城址石ばかり     思考

具志堅ファミリーの素敵なライブ









青木夫妻が沖縄へやってきた。毎年恒例の寒行も節分をもって無事終了されたご様子、四十周年ということもあり、安堵感もひとしおであろう。だから今回の訪琉はご自分の骨休めと、奥様の内助の功に対する慰労が目的のようだ。三泊四日の期間中、思考夫婦と行動を共にしたあと一緒に尾鷲に帰る予定になっている。

那覇空港に到着する上人たちを迎えるために恵子と二人、40分ほど前に車でアパートを出た。いつもはヒロコさんやタカシさんに来て貰う僕たちが逆にお客さんを迎えに行くことがちょっと嬉しかった。定刻に再会を果たし、そのまま真っ直ぐ国際通りにあるホテルへ御案内。夜は館内のレストランにて会食(タカシさんも)となった。上人の奥さんのひろこサンは、てびち(豚足)汁に生のフーチバ(よもぎ)を入れて食べることに興味をそそられたようだ。

上人は食べながら泡盛の湯割りを呑んで上機嫌、やがて始まった「具志堅ファミリー」のライブに一同はノリノリとなった。先日、日テレの取材を受けたという「具志堅ファミリー」は美人姉妹と両親の沖縄ポップスグループで、実力は折り紙付き、末っ子のホサナちゃん(高2)の可愛いMCに思わず目尻を下げるおじさん多数、最後は全員(従業員含む)でお決まりのカチャーシーが始まった。

僕も青木夫妻もその渦に巻き込まれたが、やはりウチナンチューのリズム感は一味違う。中でも、タカシさんのカチャーシーは感動的ですらあった。それは、やんばるの山中で終戦を迎えた時、十歳だったというタカシさんの人生そのもののような滋味に溢れ、笑顔を生まずにいられない見事さであった。
明くる日は美ら海へ

踊り終わった誰もに賞賛を受けたタカシさんは「自由に踊ってるだけよ」と照れ、具志堅ファミリーのむっちゃん(お母さん)は「あんなカチャーシーを見ると涙が出るよ」と言ったので、それも僕には新鮮な感激であった。年をまたいだ僕の沖縄生活もそろそろ終わり、アンコールはいつになるか。