2014年12月21日日曜日

尾鷲歳時記(204)

そろそろクリスマス
内山思考 

青空に冬の雲ある安堵かな   思考 

看護師Mさんに貰った
折り紙のサンタ2人













沖縄に行く前に恵子の定期診断の為に名古屋へ行く必要があり、予報ではどうもその日が大雪になりそうだったので、思い切ってスタッドレスタイヤに履き替えることにした。尾鷲の気候は温暖だから大して遠出さえしなければ、普通のタイヤで冬を越せる。来週はもう那覇にいるのだから、新タイヤ購入は勿体ない気がしたが、背に腹は変えられない。

案の定、当日は津、四日市あたりから冬景色が一変して雪景色になった。一時間足らずの走行で同じ三重県とは思えぬ変わりようだ。高速道は交通量が多いから、轍の跡を大きく反れなければ運転にさほど支障は感じない。換えて置いてよかったねと恵子。ウンと僕。暖かいところでゆっくりして来て下さい、沖縄より暖かい医師や看護師さんの言葉に送られ、雪のチラつく中、桑名の姉との夕食もキャンセルして帰宅したのは7時だった。

明くる日は一転して1人で南へ向かう。娘の用事でこちらもタイヤ交換、ピンクの軽乗用車に乗って熊野大橋を渡り和歌山県へ入る。上天気だし、昨日と打って変わって南国気分である。指定されたタイヤショップの予約に一時間ほどあったので、ふと思いついて那智勝浦まで足を延ばした。中学高校時代のギター仲間くにひろ君を訪ねてみようと思ったのだ。確かこのあたりだったがなあ、入り組んだ街中を走って行くとあったあった看板が。「K工芸」と描かれた店のガラス戸を開けると、こちらを向いた顔は四十年前とまったく一緒やないか・・・・。

変わらぬくにひろ君
「くにひろ君か?」「おお」「わかる俺?」「田花(旧姓)か?」と言うような話でまあ2人ともそれから喋る喋る。あの時あーした。この時こーした。あちらは白ヒゲこちらは黒ヒゲ、外見はいい年のオッサン同士でも心は瞬時に十代である。沖縄から帰ったらまた会おうという事で、帰りのハンドルを握りながら、僕は一足早いクリスマスプレゼントを貰ったような愉快な気持ちであった。